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杉野 里美

精神看護専門看護師

心から健康に

私は元来、患者さんやご家族の「価値観」や「大事にしていること」を尊重しています。心に寄り添える看護をしたい、またそういった看護を提供するスタッフのメンタルヘルス支援をすることで、より質の高い看護を最大限に提供することが可能になるのではないかという考えから「心のケア」に興味を抱いていました。独学で心理学や精神看護学を学び直し、「心が健康であれば、たとえ身体疾患を抱えていても、病気やその症状と上手に付き合うことができ、その人の今をその人らしく生きることができるのではないか」と考えるようになりました。そして、看護師8年目で精神看護領域の分野に足を踏み入れ、「心と身体をつなぐ看護」の提供を目指し、看護系大学院修士課程でより高度で専門的な知識や技術を学び、精神看護専門看護師の資格を取得しました。

市川総合病院が原点

私の看護師としてのスタートラインは当院でした。専門分野の学びを深めたいという思いで一度は退職し、その後、精神科病床のある総合病院・精神科診療所・単科精神科病院などで実績を積みました。精神専門看護師になるまでの道のりは決して平坦なものでは無く、何度もくじけそうになりましたが、そんな時に私の支えとなったのは、当院で叩き込まれた看護の基礎でした。当時を振り返ると辛く厳しい事も有りましたが、今では本当に感謝しています。精神看護専門看護師の資格取得後、今後どのように自己研鎖し活勣していくかを考えた時に、迷い無く当院への再就職という選択をしました。当院で治療する患者さんやご家族、また当院で働きたいと入職したスタッフが、「この病院を選んで良かった」と思えるようなメンタルサポートを提供していきたいと考えています。

千葉県内では僅か10名

2018年8月現在、全国には294名、千葉県では10名の精神看護専門看護師が活躍しています。私はその一人として当院を活勣の拠点とし、保健医療福祉の発展に貢献し併せて看護学の向上に努めています。精神専門看護師のなかでも、身体疾患を抱える患者の精神的な間題や課題に、精神看護の知識や技術を応用して対応する看護師をリエゾンナースといいます。「リエゾン(liaison)とは、橋渡しをする・連携する・つなぐという意味があり、心と身体、患者さんやご家族と医療者、医療者間の連携を促進し、患者さんが質の高い医療を受ける環境を整え、患者さんと医療に携わるスタッフとのより良い関係を保つように努めます。また、看護師が生き生きと働けるように看護師自身のメンタルヘルス支援も行います。相談依頼があった部署に出向いたり、院内をラウンドして患者さん・家族・スタッフのサポートを組織横断的に行っています。

精神科分野の様々な病院で経験を積み、精神専門看護師の資格を取得。2018年入職し、院内横断的に活動中。